1-1 起業 いまどきの商品探し;〈起業家って?;体育会系よりバンドマン?〉

2003年7月、私、会社を辞めました。

元々、私はエンジニアで、製品開発担当としてお客様のところも飛び回っていました。

会社を飛び出すような人は、少し世間から外れた人が多いと思われがちですが(最近はそうでもないかな?)、それほど”変わりもの”というわけではありませんでした。

元々は金属を中心とした素材の研究者で、その後、機械メーカーで設計・開発を10年以上担当。後半部分では、工作機械関連のちょっとニッチだけど重要なある部品の開発と拡販を担当しました。ある新製品を開発し、最初は苦労しましたが、ある時期からはお客さんの設計陣が後押ししてくれて、売上も国内シェアも倍増。社内外で色々と賞も頂きました〈’02年 「財団法人九州産業技術センター」センター賞受賞〉。周りからは充実した日々に見えていたと思います。

でも、”何かやりたがり”なんでしょうね。

当時、無性に会社を辞めて事業を始めたいと思ったんです。しかも、今までやったことがない事で。今思い返しても、単純にチャレンジ精神なんですけど、0(ゼロ)からの起業をやってみたくなったんです。

バカですね~(笑)

ただ、いざ経営者になってみると、意外に似たような感じの経営者が多くてビックリしました。少しタイプは違いますが、シニア起業の方は特に多い気もしますね。むしろチャレンジ精神だけ過ぎる人も結構いる気がします(笑)。

起業家って、どんな人?;体育会系よりバンドマン?
私の経験上、事業を起こそうという人には2タイプあるように思います。
1つは、一旗揚げようとする、お金持ちになりたいタイプ。一般的には、事業を起こす人はこういう人ばかりと思っている人が多い気がしますが、私の周りには案外そういう人は少なかったです。
もう1つは、何かの(しばしば自分でもわからない)義務感や使命感で立ち上げるタイプ。たまに潰れかかった会社を仲間に頼られて引き受けたという方がいますが、これも後者だと思います。
成功しやすいのは、経験的には前者の一旗タイプと思います。割り切ってますし、いいカッコしませんから。
後者は、どうしても理想にこだわってズルズルいって苦労も失敗もしやすいと思いますが、このタイプが苦労を乗り越えて成功したときはさすがに人格者が多いので社会での存在感が大きい方が多いように思います。
仕事上で起業家と付き合う方が多い方は、共感するポイントや地雷を踏んで激怒させてしまうポイントが両タイプで真逆だったりするので注意が必要です。
また、自身が起業しようとする場合、起業して事業を軌道に乗せるというのは大変な事ですが、とくに自分が後者の使命感タイプだと思えば、つい自分で茨の道を選びがちです。より大変な覚悟をしていた方がいいと思いますよ。特に”体育会系”の人は・・・。
ちなみに、変な比較ですが、体育会系よりも”バンドマン系”の方がビジネスで成功していることが多い気もします。体育会系は、全てを自分の努力不足と追い込んで、孤高の人として頑張り続けちゃう人が多いですよね。バンドマン系は意外に飲み会でバンドメンバーやフェス仲間を探したりして、バンド活動が事業の営業活動と似ているのか、音楽好きで色々やってるうちに経営者感覚が身についている人が多い気がします。私の高校の同級生で、美術部仲間で、今、経営者として大活躍しているのも、そのタイプな気がします。

 

さて、私の話ですが、0ゼロからって、何の事業をやる気だって話ですよ・・・

今思うと馬鹿だな~と思いますが、そのときはチャレンジ精神に溢れてますから、まったく自分がやってなかったことで挑戦したかったんですよね。

結果、選んだのは輸入業でした。

で、なぜ輸入業なのかですが、実は当時、何度か遊びでオーストラリア旅行に行ってました。

時は、雑貨ブームでした。

私も雑貨屋さんをのぞいてちょっとしたものを買って部屋に飾ったりしていましたが、その時期、たまたま旅行先のオーストラリアで、現地の雑貨屋さんを見た時、その色使いが物凄く印象的だったんです。

聞くと、オーストラリアには先住民族のアボリジニによるアボリジニ・アートというものがあり、ヨーロッパですごく人気が高いとのこと。動物の内臓を描いたようなちょっとキモいのもあるのですが、昔ながらの(水汲み場などを示した)サインやメッセージをモチーフにしたドットプリントのデザインは本当に素敵でした。また、このカラーリングに影響を受けたのか、若手アーティストや海外からの移民によるモダンアートはカラフルで、”ありそうで、ない”妙にカワイイものに溢れていたのです。

「これだ、これ、これ。これを輸入しよう!」てなもんで、早速、これらのアーティスト雑貨を輸入することにしたのです。

さて、そうなると海外メーカーやアーティストに取引の申し入れとかもしないといけないんだ~ となって、ちょっと悩んだのが、会社の名前をどうしよう、法人化した方がいいのかな・・・という事。

当時は「事業を立ち上げるなら法人化しないと信用度がないのでダメ」ということで、起業時の法人化が推奨されていましたが、現在と比べ費用も手間も非常にかかっていたので、最初に法人化すべきか悩みました。JETROさんや輸入業の先輩方にアドバイスを求めたのですが、総じて皆さん仰られたのが「海外の事業者は貿易相手の規模や法人かどうかとか、ほとんど気にしない。基本的に人として信頼されるかどうかで決まっちゃうから、最初から法人化に労力使うのは無駄かもよ。」でした。そこで、まずは個人事業主としてスタートさせることにして、事業が軌道に乗った段階で法人化を図ろうとういうことにしました。(ただ、これは、別の面で”まず法人化”が正解だった気もします。今は法人化のハードルが下がりましたしね・・・)

名前(屋号)は、「GOMA Project 2000」。どうしても名前の由来が聞きたい方は個別にお問い合わせください(笑)。

では、肝心の商品探しです。やりかたは三つ、

一つ目は、国内外の展示会を訪れる方法。従来からの王道で、小売店だといいのですが、ライバルも多く、小規模事業者が輸入元になるのは、国内展示会ではなかなか難しい印象があります。となると海外展示会ですね。少なくともある程度英語が必要になるのでちょっとハードルは上がりますし、競合のバイヤーも多くいますが、相手先もある程度大きい企業であり、しっかりした対応をしてくれるので、まずは確実な方法ですね。その場で日本での独占販売権の話をすることもできます。

二つ目は、自身の目と足で探すこと。私たちは、当初、オーストラリアのクラフトワークに目をつけていました。オーストラリアには土日などに公園などでオープンするアートマーケットがあります。

日本のフリーマーケットをイメージするとまるで別物で、比較的厳しい出店審査があり、アート系のクラフトマンなども多く出てくる、レベルの高いアートマーケットもあちこちにあります。そこで直接声をかけ、商品を送ってもらいました。こういう人たちは、チャンスと思って積極的に協力してくれる人がいる反面、面倒くさがり屋で売ってくれない人も多くいます。まあ根気よく、お願いして、通関書類の書き方までこっちで教えて、やっと送ってもらったりしました。(初めて輸出というものをやった、陶芸家のおばあちゃんから、「すごいアドベンチャーで楽しかった」と言われてうれしかったです。2年くらい取引して人気の陶器でしたが、その後、「どうしても重い陶器の型が持ち上げられないから、小さめの陶器だけの注文にしてもらえないか」と連絡が来ましたけど(笑)。)

三つ目は、やはりインターネットなどで探してメールを書く方法です。探し方に若干のノウハウはありますが、やはり今はこれが多いですよね。

 

取引開始-海外事業者への取引申入れ;
取引先をインターネットで探した場合(自分の足で探したときでも申し入れが後日になることはよくあるので、その場合も)、まずは、メールなどで取引を申し入れます。
ちなみに、貿易にあたっては、独占販売権(※)は非常に重要で、絶対勝ち取った方がいいポイントです。ただ、どう進めたらいいのかです。
(※”排他的契約”とも言い、「日本ではうちだけね」とか「アジアではうちにだけ出してね」という契約です。)
独占販売権をとるタイミングは、まずはファーストコンタクトとその直後のやり取り時です。国内外の展示会でコンタクトを取る場合は、メーカーも比較的大きく、海外向け卸価格もはっきりしていることが多いので、最初が肝心です。ただ、インターネットで探したときなど、個別にアプローチする場合は、意外とタイミングが難しいです。私どもも最初は、経験もなかったので何人かの方に相談しました。
実はこの時の答えでちょっと意外だったのが、JETROさんの相談員の方のアドバイスでした。それは、「最初から契約とか、契約条件とか持ち出すな」というものでした。欧米は契約社会と思いきや、人間関係を非常に重視していて、いきなり契約とか言い出すと相手が身構えるだけで逆に悪い条件を飲まされる。最初は小口で信頼を得て、ある程度、取引額が大きくなった段階で契約、とくに独占販売権(エクスクルーシブ契約※)を切り出せというものでした。この相談員さんはベテランだったのですが、確かにその後の自分達の経験で見てもその通りで、排他的契約の申入れは早すぎるとギクシャクなりやすいし、遅すぎるとほかの輸入業者が横やりを入れてきます(市場で売れてきて「これ売れそう」と思われる商品になってくれば、「うちと契約しようよ。うちは大手だよ。」と急に海外メーカーに連絡を入れてきます)。どの段階という正解はないのですが、横やりが入る前に、なるべく早期に信頼関係を築くために、マメに連絡を取り合うのが肝心です。いい関係性を作っておくと、実際に横やりが来た時に、海外メーカーは、すぐ教えてくれるし、交渉材料に使う素ぶりもなかったです。少なくとも私が取引したオーストラリア人とアメリカ人は、みんな義理堅く、仁義に厚かったです。

 

次は、

1-2 お店のオープン いまどきの店舗探し;〈小売業界の環境変化:ポップアップショップ?〉

 

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